歯科医院で受けられる治療について

失った歯を補う治療として広く知られるようになったインプラント治療は、現在でも進化しており、さまざまな新しい治療法が採用されています。そのひとつが、1日で噛むことができるワンデーインプラント治療です。これまでの治療方法では、顎の骨と顎の骨に埋め込んだインプラントが結合するまで約6週間から8週間の期間が必要だったため、インプラントを埋め込む手術と人工の歯をインプラントに装着する手術の2度の手術を必要とすることが多く、きちんと噛むことができるまで数ヶ月の期間が必要でした。しかし、ワンデーインプラント治療では、その名前の通り、1日で普通の歯と同様に噛むことができる点が特徴となっており、インプラントを埋め込む手術と人工の歯をインプラントに装着する手術を同じ日に行うことできるため、手術当日から普通に食事ができる画期的な治療法として注目されています。

こちらの治療法では、1日で噛めるようになるだけでなく、約4本から6本と少ないインプラントですべての人工歯を支えることができるため、多くの歯を失ってしまったケースでも採用しやすい、手術が1回で済むため治療期間が短いうえ身体への負担や費用も抑えられるといったメリットもあります。歯科医院が苦手という方の中には、麻酔時の痛みが苦手という方が多いのではないでしょうか。確かに少し前までは麻酔注射は針が太いなどの理由で痛みを伴うこともありましたが、近年では、患者さんの負担を減らしたり、痛みを感じにくくしたりするため、麻酔をする際にさまざまな工夫をしてくれる歯医者さんが増えています。歯科医院で行われる麻酔時に痛みを感じにくくするための工夫としては、まず、表面麻酔を歯茎に塗ることがあげられます。

麻酔注射の針を刺す部分の歯茎を一時的に麻痺させることで、針を刺す痛みを感じにくくすることができるからです。また、コンピューター制御による電動注射器を使う歯医者さんも増えています。電動注射器では極細の針が使えるため針を刺す時の痛みがほとんどないうえ、コンピューター制御によって一定の速度で注射液を注入できるため、ゆっくり痛くないようコントロールしながら麻酔液を注入できるとされているのです。そのほか、麻酔液が冷たいと注入した時に違和感や痛みを感じやすいため、人肌と同じくらいの温度に温めてから使用している歯医者さんや、どうしても麻酔に対する恐怖心が払拭できない患者さんに対しては不安が和らぐ笑気吸入鎮静法などで対応してくれる歯医者さんも増えています。

何らかの理由で歯が抜けてしまった場合の治療法のひとつとしてインプラント治療があげられますが、インプラント治療にはどのようなメリットがあるのでしょう。まず、最大のメリットとしては、顎の骨に埋め込んだ人工歯根の上に人口歯を装着し固定するので、歯が抜ける前と変わらない噛む機能が回復できる点があげられます。そのため、固いものでも違和感なくきちんと噛むことができ、歯を気にすることなくおいしく食事ができるといったメリットがあります。また、インプラント治療では、歯が抜けてしまった箇所をピンポイントで治療すればよい点もメリットといえます。

歯を失ってしまった場合の治療法にはインプラントのほかにブリッジなどの治療法もありますが、失ってしまった歯の両隣にある健康な歯を削って治療を行うブリッジに対して、インプラントでは周囲の健康な歯を削ったり抜いたりする必要がなく、削ることで周囲の歯の寿命まで短くしてしまったり、治療後にも周囲の歯に過剰な負担をかけることがないため、インプラント治療は周囲の歯を守る治療ともいえるのです。ただし、インプラントには外科手術を伴うなど専門性が高い治療のため、信頼できる歯科医院を選ぶことが大切です。歯科医院を受診している約3分の1が65歳以上とも言われ高齢者に対する歯科医療のニーズが高まるなか、高齢者をはじめとした歯科訪問診療の重要性も増してきています。歯科訪問診療とは、歯科医師などが自宅など患者の所在地に足を運んで診療を行ってくれる訪問診療のひとつですが、保険適用内で診療を受けるためにはいくつかの条件があることをご存知でしょうか?まず、保険内で訪問診療を受けることができるのは、歯科医師によって通院することが難しいと判断された方のみとなっています。

そのため、申し込めば誰でも受けることができるのはなく、高齢である、重い病気を患っている、介護を受けているなどの理由から体が不自由で歯科医院に行くことができない方のみが歯科訪問診療を受けることができるのです。また、保険適用の訪問診療の対象となるのは、歯科医院から半径16km以内のエリアに限られており、患者さんの所在地から半径16km以内に保険適用の訪問診療を行っている歯科医院がないなどの特別な場合を除いて、患者さんの所在地から遠くにある歯科医院に訪問診療をお願いすることは基本的に認められておらず、近所の歯科医院に訪問診療を依頼する必要があります。従来から欧米では歯並びへの関心が高く歯科矯正を受けやすい環境が整っていましたが、近年では日本でも歯並びを気にする方が増えてきました。しかし、矯正治療に興味があるものの、歯の表側に装着する金属製のブラケットという矯正器具やワイヤーが治療中目立ってしまうため、矯正治療を躊躇している方もいるのではないでしょうか?確かに、金属製のブラケットはリーズナブルで壊れにくいというメリットがあるため、多くの矯正治療で使われています。

しかし、近年では、目立たない矯正器具を取り扱う歯科医院も増えているので、見た目を気にすることなく治療を受けることも可能です。目立たない矯正としては、まず、透明のプラスティック製やセラミック製の審美ブラケットがあります。白い色のワイヤーを併用すれば、歯の表側にブラケットを取り付けても目立ちません。また、歯の表側ではなく歯の裏側に矯正装置を取り付ける裏側矯正もあります。

そのほか、薄く透明なマウスピースを用いて矯正を行う方法も採用されています。こちらの方法では、ワイヤーを使用しないので目立たず周囲の人に気づかれにくだけでなく、金属アレルギーの心配がない、取り外しができるため衛生的である、といったメリットもあります。近年、虫歯や歯周病など病気になってから歯科医院にて診療を受け治療を行うのではなく、数ヶ月に1回など定期的に歯科医院に通うことで、虫歯や歯周病などを予防したり、口腔内の病気の早期発見を目指したりする予防歯科が注目されています。定期的に歯科医院に通うことで、歯の寿命を長くできたり、認知症のリスクを減らしたりできるとも考えられており、高齢化が進むのにともない、予防歯科へのニーズは今後さらに高まるといえそうです。

では、予防歯科ではどのような診療を行っているのでしょう。まず、予防歯科では、ドクターが口腔内の健康状況を丁寧に診療してくれます。新しい虫歯がないか、一度治療した虫歯が再発していないか、歯周病になっていないか、など、歯や口周り全体の健康を細かくチェックしていきます。また、予防歯科では、歯科衛生士による口腔内のケアも受けることが可能です。

ケアの内容としては、虫歯や歯周病の原因となる歯石の除去やブラッシングでは取り除くことが難しい歯の表面の汚れ落とし、むし歯予防のためのフッ素の塗布、ブラッシング指導などがあげられるほか、必要であれば、細菌検査やエックス線検査、唾液検査などを行うケースもあります。

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